ラ・パスからコロイコへの道のりは、まず4,670mの高さまでの舗装された山道を登っていく。高山病になってしまった人には、この登りはつらい。

4,670mまで登ると、あとは一気に1,500mぐらいまで下がる。途中から土ぼこりを巻き上げながら進むことになる。しかも、右側は谷底、ガードレールなどという気の利いた物はない。コロイコまで3時間ほど、こんな道を行かなければならない。

年に何台か、この谷底にトラックやバスが落ちるそうだ。大抵、クルマ同士がすれ違う時に事故が起こるとのこと。大きな対向車が来るたびにドキドキした。

地面は白いパウダー状。クルマが巻き上げる土ぼこりで、道路の周辺の植物は真っ白。窓をすべて閉め切っての走行。それでも、隙間から舞い込んできたりして、つらい物がある。

途中、山側に隠れて対向車が見えないような大きなカーブが何カ所もある。そこに、緑(裏側が赤)の旗を持った信号おじさんが立っていることがある。通行車からのチップで生計を立てているという話だが、果たして彼らは、きちんと役目を果たしているのだろうか???何人もの信号おじさんを見かけたが、なかなか赤い旗に巡り会えず残念!

乾ききった大地の中に、オアシスを見つけた!300mくらいのその地帯だけ水があふれているのだ!バスから降りて歩いた。あちこちから水が湧き、上を見上げると切り立った崖から滴がパラパラ降ってくる。

うっひょ〜!!信号ねえちゃんを見つけた!!それも、赤の旗を示している!!

信号ねえちゃんの指示通りに道の端に停めて待つ。対向車は大きなバスだ!!対向車と無事とすれ違う。やったぁ〜〜!!運転手のフレディーさんはポケットから小銭を取り出すと、信号ねえちゃんの前を通り過ぎるときに、さりげなく窓からぽとりと落とした。