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●2003年11月13日(木)午後6時30分開演
会場 山梨県蒼風文化創造館ホール

山梨県の富士山の麓にある吉田高校へは、数年前にアンデス音楽の楽器についてのレクチャーに1人で出かけて以来2度目になります。生徒さんの前で「コンドルは飛んで行く」を演奏したり、全員にサンポーニャを実際に体験してもらったりと、富士山の麓の冷たくもすがすがしい空気と共に、楽しかった想い出があります。それでも言葉を通して、たった1人で‘音楽’を伝えることに限界を感じていたので、今回のパパ・サラ・メンバー5人によるコンサートでは、前回よりもストレートにアンデス・フォルクローレの楽しさを伝えられるのではと、私自身とても楽しみにしていました。11月13日、当日は心配していた高速道路の渋滞もなく昼過ぎに到着。あいにく冷たい小雨が降る天気で富士山は見られず残念。前日に南国高知県から飛行機で飛んできた自分には、急に冬が来たように思えました。(私事ながら、2年ほど前より南国土佐に暮らしております。)久しぶりにあったパパ・サラのメンバーは、全く変わりなく元気で、たった1年ぶりなのに、なぜかとっても懐かしく“我が青春のパパ・サラは健在なり!”と思えてしみじみしてしまいました。歳をとったかな?午後6時30分、吉田高校の生徒の皆さん、先生方、父母の方々で客席はいっぱいになり、コンサートがスタート!1曲目は「ヴィラコチャ」。懐かしくも元気のいいケンさんのキーボードの音に乗って、土佐の竹で作った新しいケーナを吹く。密かに‘竜馬’と名付けたこの笛は生まれの通り手強く頑固で扱いづらいところがある。しかし、音色はパパ・サラに良くブレンドし合っているようだ。そして、小村さんの衰えを全く感じさせないテノールが響く。聴いている生徒たちは、まだこちらとの距離を測っている風だ。ちらりと横を見ると百戦錬磨のカズ姉に焦りの色は無い。さすがである。程良い緊張の中、悪くないスタートだ。「よし、その調子で前半はしっかり聴いてくれよ!」と思った。ハッチのギターにソロが回るとギタープレイに集中する生徒たちの気配が‘ヒシ’と感じられ良い感じだ。休息時間に交流会を兼ねたパーティーがあるのが少し珍しい構成でした。せっかくなので演奏の難しさを知ってもらおうと、大きなサンポーニャを持っていったら、男子生徒の1人にあっさり吹かれてしまい、ちょっと残念。隠れた才能というか、体質がその笛に向いて苦もなく吹けてしまう人が、子供たちの中には時々います。上手に伸びると凄いのになと思いました。交流会のおかげもあって、リラックスしたムードで後半戦スタートです。アンデス音楽以外のオリジナル曲も含む数曲を一気に演奏。反応もストレートになってきて良い感じになってきたところで、本日の特別ゲスト。体育の先生による胸の筋肉を振るわせながら歌う「もののけ姫」に大爆笑!「あ、遊んじゃっていいんだ!」と気づいた生徒たちから‘遠慮’の文字が消えたワンシーンでした。もちろん会場は一気にヒートアップ!アンコールでは全曲踊り出すパワフルなダンサーまで飛び出し大盛り上がり、楽しいコンサートとなりました。フー!いつもながらパパ・サラのライブは、激しい曲が多い上にサンバに合わせて会場練り歩きなどいろいろあって、大汗をかくけれど、終わったあとの気 分は爽快であります。打ち上げの席で吉田高校の長田先生がおっしゃった「大勢のバンドはいいなぁ、見ている方も楽しくなっちゃうなぁ!」という言葉が、一番嬉しかった言葉でありました。それさえ伝われば、私は満足なのであります。最後に今回のコンサートを企画、運営してくださいました、吉田高校の長田先生はじめ教員の皆さま、お集まりいただき手伝ってくださいました生徒の皆さん、父母の皆さま、本当にありがとうございました。(大目真壱)


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