カントゥ・フォルクローレ連酩タイトル

     

アンデスの伝統音楽「カントゥ」7つの魅力

(1)南米アンデス地方、チチカカ湖の北側の地域の村々で演奏されている「カントゥ」という民族音楽を知っていますか。
インカ帝国の時代には「カリャワヤ」という呪術師の祈りの儀式の際に演奏する音楽でしたが、       
今でも村のお祭りや結婚式などで神聖な音楽として奏でられています。                  
(2)大きなトライアングル「チニスコ」、大木をくり抜いて作った太鼓「コルテサ」、                
そして長さの異なる葦を束ねて作った笛「シーク」でメロディーを吹きます。               
   チニスコ担当が1名、大きさの違うシークを12名で担当、そのうちの4〜5名人が吹きながらコルテサも叩きます。
(3)カントゥの音階はインカ独自のもの。シークは底の塞がった葦の筒に息を吹き込んで音を出す楽器で、       
村ごとに代々つたわるスケールで忠実に長さ(音程)を決め、製作されます。また楽士たちは、曲や奏法を、 
父親から教わり、息子に伝え、次の世代へと引き継いでいきます。                    
(4)カントゥは異なった調が同時に演奏される「復調(ポリトーナル)」です。調は村によって違うのですが、     
 たとえばキアバヤ村はほぼBmとほぼF♯m、たとえばニーニョコリン村はほぼC♯mとほぼF♯mという具合です。
音階がインカ独自のものなので、あくまでも「ほぼ」です。                       
(5)オクターブ違いの3声のメロディーが2つの調で演奏されるので、合わせて6声でのハモリ。           
各声部のメロディーは、ほとんどオクターブ違い、調違いのユニゾンですが、               
所々に音程の異なる音や吹くタイミングの違う音があり、それがカントゥの雰囲気を醸し出しています。   
    (6)ハモリの音域は2オクターブと完全5度で、シークは80cmの大きなものから、手のひらで転がせる小さなものまであります。
長い管は吹くのに多くの息が必要で低い音が出ます。                          
高い音が出る短い管は少ない息で吹けますが、吹き入れる角度で音程が微妙に変わるので難しいです。    
(7)1つの声部にシークは2つあり、イラとアルカと呼ばれます。メロディーを二人で分担して吹くためです。     
1つのメロディーを二人で分担する奏法は他にはない概念で、演奏する魅力の1つです。          
それぞれの声部でイラとアルカがあるので、6声部あわせて12名の楽士が必要です。