NAVIDAD 1996(1996年のクリスマス)
(55X35cm)
「まだあ?」1996年のクリスマスの私。
予約していた格安チケットは変更がきかない。クリスマスまでには人質全員解放、私の勝手な予定でしたが。
「飛行機代ケチって命おとすなよ」と周りの人々。でも私の行くのはそこからバスで8時間の田舎だし、別に政府要人ではないし、問題はこんなノホホン観光日本人が今入国できるのか?という疑問だけ残しつつ、出かけたのでした。
 当然何も影響はなかったのですが、そういう縁もあってか、特別印象深い事件です。「日本人全員無事!」のオメデタイ報告以来プツっと報道もされなくなってしまったが、犯人も含めて17人のペルー人が亡くなったことは忘れてはいけない。テロリストが「すべての人に平和を!」と矛盾したようなメッセージを垂れ幕に書いていた。幻のような現実。

「誰を待っているのか?何を守っているのか?」(40X25cm)

チャビン・デ・ワンタル

プレ・インカ時代の地下にある遺跡で、石組みの間に「くぎ頭」(と地元の人が呼んでいた)という怖い顔の彫り物がはめ込まれていたが、今はみんな床に安置してあって、まるでずっとそこで誰かを待っていたみたいだった。

この遺跡を訪問した3ヶ月後テレビで、人質救出のために地下トンネルを掘ったことをフジモリ大統領が「名付けてチャビン・デ・ワンタル作戦だ!」と叫んでいるのを見た。変な感じだった。



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