2009年イイヅカ・サトコ石版画復活への道-10
初めての制作!〜刷る〜

             
2009.5.21.
↓いよいよ刷りに入る。
刷りの準備は第二製版とほとんど変わらない。
ただ、粘りが強く乾きにくい「製版インク」ではなくて、
速乾性の「プリントインク」を使う。
左が製版インク、右がプリントインク。わかりづらい・・・
自分でもわかんなくなるから、缶の蓋にマジックで書いちゃった。
             
↓塗ってあった硝酸アラビアゴムを水で洗い落とし、乾かす。
生のアラビアゴムを薄く塗って布乾拭き、乾かす。
灯油で製版インクを落とし、水洗い。
この後は、もう絶対に乾かしてはいけない!
各ポイントでの「乾かす」「塗らす」を守るのが一番大切。
インクを載せる合間に、しょっちゅう水を含んだスポンジで拭いてる。
と、ここまでの作業は昨日と動きがほとんど同じなので、同じ写真を使った。
(本当は第二製版の時に写真を撮るヒマがなかったので、こっちが本来で、昨日のが代用。)
                
インクを載せた後は、紙を載せて刷ればおしまい。
               
・・・と言ってしまえば早いのだが、ここからがえらい長く、
しかもスピード命なので詳しい写真を撮ることができなかった。
             
まず、刷る前に、霧吹きで紙を湿らせておく。
少し湿らして紙を柔らかくしてやることで、インクがしっかり付く。
(カラーインクの場合は、染料が滲むことがあるので濡らさない)
版が安定するまで試し刷りを10回くらい繰り返す。
            
↓本刷り紙にクッション用のロール紙4〜5枚を重ねて、
グリスを塗った「タンパン」(プラスチック板で代用した)
を載せて、プレス機にセットする。
圧力を調整しながらバーを下げ、ハンドルを回転させる。
       
↓出来上がり。
あとは好きな枚数を刷るため、同じ行程を繰り返す。
試し〜本刷り合計で25枚ほど刷った。上手く刷れたのは4〜5枚かなあ?
(初めて使うプレス機なので、圧力の具合がつかむまで時間がかかってしまった)
約一年ぶりの刷り(とくに墨刷りは2年ぶりぐらい)で、
筋肉痛で腕が上がらなくなった・・・・・
         
              
*そうそう、墨刷りの場合は、終わってからもローラーの手入れは怠れない。
ゴムローラーと違って、灯油でザブザブ洗い落とすというわけにはいかない。
(あっという間に皮を傷めてしまうよ)
製版前にやった行程と同様、インクをへらで削り落として、逆目を立ておく。
長く使わない場合は、製版インクや専用の保存液などを付けて、ラップをかけておく。
そういうわけで、刷ってクタクタの所を、
もうひとがんばりして片づけをしないといけないのがやっかいだ。
          
ゲットしたのが、まだ裏皮ローラー一本だけなので、
今回は製版と墨刷りで同じローラーを使った。
本来は、別々に用意した方が作業しやすい。
(製版インクを付けたり落としたり無駄が多かった)
また、カラー作品を作るためには、
各色のインクとゴムローラーを手に入れなければいけない。
誰か、ください。タダで。(笑)
          
それともう一つ問題点があった。
インク練り台に細かいゴミが落ちるので気になっていたが、原因が分からなかった。
ローラーの手皮(持ち手)を、ハンズで買った適当な厚さの皮で作ったのだが、
どうも裏皮がポロポロ落ちるようだ。やはり版画専用の手皮を探したほうが良さそうだ。
         

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