2009年イイヅカ・サトコ石版画復活への道-12
再び石磨き

             
2009.6.2.
大小どっちの石も使い終わったので、石磨きをして次にそなえる。
石磨きについては以前も書いたのだけど、さらに詳しく。
        
石に水をかけて(濡らしすぎると砂が全部流れてしまうので注意!)
金剛砂を振って、小さい石で大きい石の上をこする。
そうすると、大きい石と小さい石が同時に磨くことができて便利。
↓無限大磨き・・・という呼び方は別にしていないけど。
全体に平均して磨くように気をつける。
とくに大きな石は、手前の方と奥の方で力の加減が違うので、
時々石を回転させて前後をひっくり返す。
       
金剛砂は、目の粗い順に(#80、#120、#150など)使う。
各3回ぐらいづつ磨く。
ここまでが「前に描いた絵を落とす」作業である。
         
一番細かい砂で磨き終わったら、いったん磨石でツルツルに磨く。
(いろんな大きさの砂目がついていて石の表面が整っていないから)
その後、再び好きな粗さの金剛砂で「目立て」をする。
これで絵の出来上がりの風合いが変わる。
砂目立ては、上から体重をかけるようにして力一杯やる。
       

         
石磨きが終わったら、乾かして角落としをする。
石のまわりをヤスリで削ってなめらかにする。
石灰岩はもろくて欠けやすい。角が切り立っていると、
石同士が当たったりした時に、はがれる様に欠けてしまう。
(↑欠けた石の例。)
(↑欠けた石の例。これはひどい)
石が欠けると描画できる面積がどんどん少なくなってしまう!
           
角落としをする理由はもうひとつ。
刷る時に、石の角にローラーが当たりやすくなる。
石の縁に付いたインクが、絵の周りを汚す。
(↑エッジに付いた汚れの例。ちょっと写真わかりづらいか。)
         
一応、刷ってる最中に周りが汚れたときの対処法としては、
少しの汚れだったら市販のスポンジでこすれば落ちる。
しつこい汚れは浮石棒やカッターナイフで削る。
しかしインクをのせるたびにそれをやるのは鬱陶しいので、
硝酸を水で薄めた物を塗って溶かしたりする。
しかしその後でも、角が立っていると汚れやすい事には変わりないので、
角落としは充分にやっておいたほうがいい。
         

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