2009年イイヅカ・サトコ石版画復活への道-13
版の保存

             
2009.6.24.
↓再び、大きな石で制作。
↓刷り上がり。
           
さて、刷り終わった後の石は、
普通はプリントインクを落とし、磨いて、次に備えるわけだが、
版を残しておいて、後日もう一度刷ることはできるのか?
例えば、今日は疲れたから続きは明日刷ろう・・・ということはできるのか?
          
できます。・・・一応は。
         
明日(24時間以内に)刷る場合は、まあ何とか・・・かなあ・・・
ただし、刷っている時と同様「石を裸で放置してはいけない!!」
アラビアゴム水溶液を版全体にたっぷり塗って、保水面を保護しておく。
        
次に、明日は無理だけど、後日刷りたい時。
「インクの盛りかえ」をしなくてはいけない。
プリントインクは乾燥が早く、いったん乾ききってしまうと、
灯油できれいに落ちなくなって、インクもきれいにのらなくなってしまう。
乾きにくい(溶いてある油の種類が違う)製版インクに盛りかえる。
         
また、何枚も刷った後の版は、版ツブレや汚れ
(描いてない所にもインクが付いてしまっている)
が起きていることもある。
製版インクに盛りかえる時に、余計なインクを落とし、
もとの描画に近い状態を取り戻すことができる。
       
だから、上記、24時間以内なら・・・と書いたが、
版はあまり良い状態ではない事をお忘れなく。
          
↓アラビアゴムを全体に塗り、布乾拭きして、乾燥。
        
↓灯油でプリントインクを落として、水洗い。
          
↓製版インクをのせる。
「最初の描いた時の濃淡」を思い出しながら。
(刷った後の版はだいたい描いた絵よりも濃くなっているから)
う〜〜む。
プリントインクも製版インクも黒なので分かりづらいかなあ?
          
↓版を乾かす。
       
↓製版の時と同様、レジーヌ&タルックを振りかける。
      
↓アラビアゴムを塗る。
保存のためだけなら硝酸は入れなくても良いが、
版の汚れが気になるようなら(描いた時の絵より線が太っているとか)
硝酸を数滴入れたアラビアゴムを塗る。
つまり、第二製版と全く同じことをする。
      
↓冬場の乾燥している時や、来週以降でないと刷れないという時は、
ロール紙を貼り付けてアラビアゴムのひび割れを防ぐ。
        
というわけで、版の保存はできたが、
忘れてはならないのは、インクの練り台やローラーの掃除!!
これだけは、忘れると後日使い物にならなくなってしまう。
「くたびれた〜!後でまた刷る〜。でも来週まで刷る時間がない・・・」
てな場合、すでに疲れているのに、もう一仕事あるので相当しんどい。
(そんなわけで大抵は、体力が尽きたところで終了しちゃうのである。)
        
ところで、
版の保存は、最高どの位の期間大丈夫なのか?
これは試したことがないのでわからない。
半永久的に保存できるのかどうか・・・?
ていうか、永久に版を保存するってことは、
その石はもう永久に使えないんで困るんですけど。。。。
        

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