〜日記のようなコーナー〜

2001年5月26日
戦う生、幸なり。
ハンセン氏病患者に対して間違った隔離政策を行った、国への訴訟がついに勝訴になり、国も上告しないことを決めたから、元患者達の完全勝利となったらしい。のかな?裁判用語がいまひとつわからないが。
以前読んだ本「生きてふたたび-隔離55年ハンセン病者半生の軌跡」(毎日新聞社)の著者である国本衛氏がテレビの画面からうれし涙を流している。何の関係もない私も「うんうん、オッサン、よかったね!」と声をかけたくなった。
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この国本氏の本によると、彼は16才の時に(療養所と称した)収容所に入れられるのだが、その日にかぎって友達とフザけて腕に万年筆でイレズミのように字を書いていた。そのため、少年でありながら「問題あり」という判断を下されていきなり特別室行きとなる。まったくツイてない人だ。
でも、この度「支持率95%(支持率ってどこで調べてるんだ?私ゃあ聞かれたことないぞ)」の小泉総理の 人気絶好調キャンペーン期間中に、この訴えをしたのは、もしかしてツイていたんじゃないか?と思った。金正日の息子といい、対応がやに早かった。ハンストしてた人も長引かなくてよかったね。
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さて、見出しに書いたの「戦う生、幸なり。」は、あるイベント会場で国本氏の本を買ったら、それがたまたまサイン本で、そこに添えられていた言葉だ。重い!
上で少しおちゃらけ気味に書いてしまったけど、彼等の人生は戦いばっかりだった。まず自分の病気と戦わなきゃなんないのに、差別と戦い、法と戦い、国と戦い。まさに勝利と生が直結してる。
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私自身は高度成長時代に生まれ、戦ったり守ったりする必要のない平和な環境でノビノビ育ったが、どうもここ数年「たたかう生」を生きてる人々に縁がある。パレスチナからはいまだに毎日のようにメールが来る。英語なのでよくわかんないが「今日は死傷者何名」とかいう内容。
チェ・ゲバラの写真集を買ったらペルー人の友達から「お前にはチェの精神がわかっていない!」と説教される。チェは日本ではカッコイイ肖像画のみがひとり歩きしているが、中南米では真の意味でのヒーローであったり、逆に思想が合わない人もいる。確かに実在した人なのだ。
そのペルーでは選挙のたびに軍隊出動大騒ぎになり、夜間外出禁止やら禁酒法が出される(私は酒は飲まないからその辛さはわからないが)隣のボリビアでも、連日市民のストライキやら、寒波でビニールシートにくるまって凍死するホームレスの記事やら、忙しい。
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しかし私は「戦わなくて、幸い」なんである。それがどうした!
(と、口調だけ挑戦的に書いてみる)
ところで「若いときの苦労は買ってでもしなさい」の「若いとき」って何歳までかなあ?もう時効かな?!

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