〜日記のようなコーナー〜

        
2006年5月20日
キモカワイイ藤田
          
竹橋の近代美術館に藤田嗣治展を見に行った。
私は藤田嗣治の絵は今まであんまり好きではなかった。
猫の写実的な絵はまだ良いけど、女の人の表情が何か病的だし、
何より変なオカッパ頭の自画像が気持ち悪かった。
       
しかし今回初めてこれだけ大量に色々な時代の作品を目にして、新発見も多く、面白かった。
晩年の「子供絵」は気味悪かったが最近の若い子には「キモカワイイ」とウケるかも?
以前買って途中まで読んだ「藤田嗣治『異邦人』の生涯」(近藤史人著)をまた読み始めた。
展覧会以前よりも読みやすかった。
       
好きか嫌いかといわれれば、あいかわらず好きじゃない絵だけど、
どうやって描いてるんだろう?という技法的な興味がわくのと、
言動がいちいちセンセーショナルなので当時の人々が反感を持ったりするのもわかる。
そういう、絵は嫌いだけど気になる、という絵描きが多いのはなぜだろう?
フリーダ・カーロにしても、ダリやピカソ、岡本太郎、どれも私の好みではないが、
すごく気になる。生き方が芸術的な人達なのかもしれない。
           
展覧会を見たのは4月で、その時はさほど混んでなかったが、
もう一度見たいなと思って今月行ったら、とんでもなく並んでいたので、
カタログだけ買って帰ってきた。
問題の「戦争画」だが、小さくて細部までよく見えない。
会場ではデカくて暗くてよく見えなかった。
これだけ話題になったのだから、修復して改めて展示して欲しい。
      
そうそう、真っ白な肌が特徴で、それゆえフランスで大人気だった藤田の絵だが、
南米ブラジルに行ったとたん、鮮やかな色彩が現れる。
それ以降の日本に帰ってからの作品も、お相撲さんやお祭りなど
イキイキして楽しい絵になっているではないか。
さすがブラジル!
藤田でさえもブラジルにはノックアウトか!とちょっぴり嬉し。
       

        
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