
32.アンタラ・ナスカ
ナスカ
過去のペルー南海岸のリオグランデ谷に栄えた地方都市の典型である。
西暦200年から600年に栄えていた文化で、地上絵で有名である。
ナスカからは、セラミック製アンタラが発見されている。
個別に演奏されていたようで、演奏は踊りを供なっていた。
古いアウトクトナ音楽に似ていると考えられ、
出土品の多くはリマ市の博物館に収蔵されている。
ナスカ文化のアンタラはいろいろ出土しているか、
楽器としてまだ十分なチェックを受けているとはいえない。
当時のナスカのアンタラは粘土製で現在の高地のスタイルと異なる。
1管ずつ、先に作り音程を合わせてから、
1束に作り足されたことが判明している。
現在のSicuは全音階いたが、ナスカ文化時代のものは多様だった。
半音階(クロマティック)の母の、微妙な音のあるスケールなどである。
当時共鳴管を使っていてという証拠はない。
プレーインカの合奏と現在のスタイルの共通点として、
演奏家が太鼓に合わせ振り付けをすることである。
パリの博物館にナスカのボンボがある。
皮は破れている。高さは68cmで、
ボディーには7人の演奏者が輪になって踊っている絵が書いてある。
そのうちの2人がチャフチャスのような「ガラガラ」を鳴らし
5人がパンパイプを吹いている。
うち1人は、片手にサンポーニャでホイッスルを吹いている。
タイコ(&ホイッスル)のまわりを輪になって踊っていたようである。
このスタイル(演出)、踊り、ステップで
ナスカの地上絵を作ったのではないかという説がある。
ステップで地表を覆っている土を払い、
地上絵の線を描いていたのであろうか。
ナスカ、Copara墓地(N0.5)より出土したものの例
13管のアンタラ。最長管が42cmが4組
その半分のサイズの最長管が21cmが2組
これは、各々がオクターブ違いになっていると思われる。
ポトシ〜オルーロのスリスィク等に似ているし(こちらは17管)
同じ様な13管のアンタラをラ・パス市で売られているのを見た。
ナスカ文化のアンタラ イカ市地方博物館のもの
各12管 最長管 31cm (大)3台
最長管 21cm (中)1台
最長管 15.3cm (小)1台
計5台 3サイズ
サイズより考えられるのは、大と小はオクターブ差で、
大と中は3:2の寸法なので、
中は大より5度高いピッチに近い音を中心に作られていると考えられている。これが合奏用に使われたセットのようであるが、完全5度違いでなく、
当時は全音階スケールではなかったので、独自の自然5度に近い音で
チューニングされている。
オクターブ差の音とマイナー感覚の音でポリフォニックな合奏用に
使われていたようだ。
33.クルコクルコ
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