
46・マンチャイ・プィトゥ
マンチャイ・プィトゥ Manchay Puytu ボリビア ペルー
楽器というより奏法になるのだが、素焼きの3つ口のカメに音を共鳴させる。
カメの上の口よりケーナ類を差し込み左右の穴より手を差し入れる。(E.C. P66)
これはケーナ誕生の昔話と関係がある。
昔々、ケーナという身分の高い娘がいた。彼女は、卑しい身分の男と恋する中になった。
村の長である父親はそれを許さず、男を遠い村の労働の役につかせた。
長い時間を経て、労役から若者は帰ってきた。やっとの事で村に着いた彼は、
恋人のケーナを探したが、彼女は見つからなかった。
疲れて腰を下ろすと、そこの近くに小さな墓があった。ケーナの墓だった。
若者が村を去ってから、彼女は悲しみのあまり、そのまま病気になり、死んでいたのだった。
若者は嘆き悲しみ、彼女の墓の近くを離れずにいた。
少しの後、風が吹き、古びた墓の後ろから笛の音がした。
そこに、ケーナの頸骨が風に鳴っていたのである。若者はこれを笛にした。
これが最初のケーナの笛で、また人骨のケーナを素焼きのカメの中で鳴らすと、
その笛の生前と会えるという。不気味に響く音をカトリックは忌み嫌い
何度も禁止令を出したが、結局なくならなかったという。
ペルー起源ケチュア族の話である。人骨でもケーナでない笛もある。
人骨の笛
人の頸骨のケーナ(表4つ穴)
現地で買うのは難しいが、人骨とわかれば輸入は楽である。
遺体でなく、食肉でもなく、ワシントン条約にもヒトは入っていないのである。
日本で床に落として骨折させてしまった例があったが、
歯科技工師に骨つぎしてもらったという。
骨髄の残っているのもあるので、あまり気分の良いものではない。
ペルーの骨董屋さんを捜せば出会いがあるかも・・・
(古い楽器の音程は測定されているのだろうか?)
参考
Musiques du Perou Paucartambo Indiens Q'eros に
Manchaypuytu というタイトルの曲がある。人骨笛ではないと思うが・・・