4日目(1)へ


ワ〜〜!っという歓声と拍手の中、御輿にのせられた雪の聖母像が教会の中から姿を現した。

リャメリートス、ウアマンギニートス、ネグリートス、聖母像の順番に行列は進む。

聖母像は、数十人の信者にかつがれて、ゆっくりゆっくりプラサ・マヨールを一周するのだ。

雪の聖母は子どもを抱いている。衣装の水色は、聖母のイメージカラー。

    

聖母像と一緒に進みたい人と、立ち止まって進みたくない人の間で

押し合いへし合い合戦!聖母像周辺は、もみくちゃ状態。

このもみくちゃの最中、この旅の行方を決定づける出会いがあった。

   

「Excuse me.Are you Japanese?」

トニーと名乗るその中年女性は、我々が日本人だとわかると、

すぐにそばにいたもうひとりの中年女性を大声で呼んだ。

「ヘ〜イ!ヨランダ!」

  

もみくちゃの喧騒の中で聞き取れた言葉をつなぎ合わせると、こんな感じになった。

彼女たちは、ワシントンD.C.に住んでいる。

お祭りで帰郷している。

ヨランダは、97年から3年間沖縄で仕事をしていた。

自分の故郷で、まさか日本人に会えるとは思ってもいなかった。

日本人は、とても親切だ。

明日、ぜひわが家に遊びに来てほしい。

朝9時に迎えに行く。

泊まっているホテルは、どこか?

   

「HOTEL LOS ANDES」と告げると

そのまま彼女たちは聖母像とともに流れていってしまった。

プラサ一週、距離にして約400mぐらいなのだが、

途中休憩したり、担ぎ手が交代したりして、半分を過ぎたころには

もう真っ暗。御輿部分には照明がともった。

 

ネグリートスの聖母像への呼びかけの後、

花火に見送られて、教会の奥に消えていった。

聖母像を見送る人々のまなざしは、

皆暖かく、そして真剣だった。

年に一度の彼らの大切なイベントが終わった。

無宗教の私でさえも、少し厳格な気持ちになった。

     

聖母像が無事に教会の奥に収まると、

プラサ・マヨールの人の波は、グッと穏やかになった。

私たちはお腹ペコペコだったことにハタと気がつき

お祭り中のみ出店してているアレキーパ料理のレストランに入る。

ここで食べたクイの炭火焼き。

クイというのは、テンジクネズミのこと。

ペルーでは、家庭でお客さんを歓迎する時の料理だそうだ。

私は、初挑戦!さてさて、お味は・・・

脂のこってりのった鶏肉の感じで、メチャ美味い。

satokoは、今回で4回目だけれども

今までの中でいちばん美味しいと言っていた。

食事をしていたら、にぎやかなリャメリートスの連中に囲まれた!

彼らの勢いに、若干おびえ気味のsatoko。

   

食事を終えてプラサ・マヨールに行ったら、

教会の前でネグリートスが踊りを始めていた。

一日中、本当にお疲れさま!

私たちには聴いていく元気はなく、そのままホテルに帰って寝た。

22時就寝。


5日目(1)へ