アンデスの代表的な楽器、ケーナ。
竹の筒に、口をあてる部分の切り込みと穴を開けただけの簡単な構造です。
日本の尺八と同じ構造です。
写真中央が一般的な竹製のケーナ。
表6つ、裏1つ指穴をすべてふさぐとG音(ソの音)が出る、
G管(ト長調)の楽器です。
右が木製のケーナ。
左が、ケーナのお兄さん、ケナーチョです。
ケーナよりも低い音が出るD管(ニ長調)の楽器です。
演奏:大目真壱(パパサラ初代ケーナ奏者)
リャマや山羊の皮が張ってあります。
表と裏は別の動物の毛皮を張って、ケンカさせて良い音が出るようにするそうです。
アンデスの太鼓は、毛をそのまま残しておくのです。触ると、気持ちいいです。
演奏:小村久仁夫
アンデスの弦楽器、チャランゴです。
以前は、アルマジロという動物の甲羅で作られていましたが
湿気にとても弱く、特に日本の様な気候では胴が変形してしまうので、
最近では、写真のような木彫りのものが主流です。
この音色、フォルクローレには欠かせませんね。
演奏:幡手康隆
おまけ
これがアルマジロの甲羅をつかってつくられたチャランゴ。
よく見ると目や耳がちゃんとあります。
残念ながら日本の湿度にやられて、楽器としては使えなくなってしまいました。
サンポーニャ
サンポーニャ4重奏。
長さの違う葦の筒を束ねて、ビールビンの口を吹いて音をだす要領で演奏します。
筒の底は節を利用してふさがっています。
短い筒は高い音が出ます。長い筒ほど低い音が出ます。
高い方の音は比較的簡単に出ますが、低い方の音になる程難しいです。
演奏:大目真壱(パパサラ初代ケーナ奏者)
サンポーニャの兄貴分、トヨスと言う楽器。
楽器自体が大きくなればなるほど
息をたくさん必要とするため、演奏するのは難しくなります。
ペルーやボリビアは山岳地方で空気が薄いため問題はないですが、
日本での演奏は大変苦しいです。
なんだかあべこべの様に思いますが、
たくさん息を吐くと、反射的に同じ量を吸ってしまい。
身体が空気をたくさん吸いすぎた状態(過酸素状態)になってしまうから苦しいのだそうです。
ですから、しばらく息を止めていれば、苦しさから早く開放されます。
「プル・ルーナス」「銀色の森」などの曲で演奏されます。
写真はヤギの爪を集めて作った、チャフ・チャスという楽器。
リズムを刻むパーカッションです。
ちなみに、ヤギの爪というのは伸びてくると自然に抜け落ちてしまうそうで、
落ちているのを拾い集めて作るそうです。
楽器を作るために引っこ抜くわけではありませんので、あしからず。
枝豆のお化けを乾燥させただけの楽器、セミージャ。
リズムを刻むパーカッションです。
振るとカシャカシャと乾いた音がします。
しかし、何でも楽器にしてしまうのですね。
マトラカ
モレナーダというリズムの曲に欠かせないパーカッション。
大きなワイン樽の中で働く奴隷達の足首に付けられた鎖が、
樽のふちに擦れる音を模した楽器といわれています。
もちろん今では、そのような事は行われていませんが、
悲しい歴史を忘れまいと音楽に取り入れてしまうことにすごい物を感じます。
モレナーダは、そんな悲しみを吹き飛ばすかような、明るくて楽しいリズムです。
写真は、樽型の木箱に鉱山夫の頭を付けたデザインですが、
アルマジロの剥製、自動車や家、コンドルなど様々なものがあります。
パパ・サラのレパートリーでは、
「ラ・マリポーサ」がモレナーダのリズムの曲です。