イイヅカ・サトコ「HOME」出品作

「聖なる山」2006年
ドローイング サイズ:SM(22.7cm x15.8cm)

「ピーナッツ・ジュース」2006年
ドローイング サイズ:F6(41.0cm x31.8cm)
         
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アンデスでは「チチャ」と呼ばれるトウモロコシなどを醗酵させた飲み物をよく見かける。
自家製の乳酸飲料といったところ。さらに醗酵させたお酒などもあるが、広場の片隅でオバチャンが売っているのは前者(ノンアルコール)で、ジュース感覚で飲まれている。
ある広場で飲んだチチャは、ほんのり甘く香ばしい香りがしたので、原料は何かと尋ねたら、
「ピーナッツだよ。ここの名物さ!」
とオバチャンは得意げに話していた。
というわけで、「チチャ」の説明が長くなってしまうので、この絵のタイトルは「ピーナッツ・ジュース」にしたのでした。

「母さんのスカート」2006年
ドローイング サイズ:F6

「おいわいの首飾り」2006年
ドローイング サイズ:F6
         
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ボリビアの田舎の村では遠くからやってきたお客さんには、トウモロコシをつなげた首飾りを首にかけて歓迎する。結婚のお祝いの時にも使われる。
豊穰な首飾りだ。

「トウガラシ売り」2006年
ドローイング サイズ:F6

「コブタの丸焼き」2006年
ドローイング サイズ:F6
         
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ペルーのワラスという町の市場にて。
ブタの丸焼きを売るオバサン。
友達は「お腹を壊すから食べちゃ駄目」と言う。
焦げ目といい、照りといい、何とも美味そうだが、
毎日新しく一匹ずつ焼いて来るのか、昨日の続きを売っているのかは不明。

「パイナップル売り」2005年
石版画(27cm X 19cm)

                

HOME・・・ホーム欲
                     イイヅカ・サトコ

子供の頃はHOMEはいつもそこにあるもので、
そこにいれば必ず自分が守ってもらえる場所であった。
大人になって、誰に命じられるでもなく、自然に、
HOMEは自分で作り、自分が守るものに変わってきた。

大人でも子供でもないときは、
HOMEなんていらない、守るものも守られるものも、
どちらもない、それが自由だ、と思い込むときが有るが、
そうしている間にも、知らないうちに、
HOMEのようなものを求めたり作り出したりしてしまうのだ。
ヒトには、食欲みたいなホーム欲があるようだ。

私がアンデスと出会ったのは、ちょうど、
HOMEなんていらない。と強く思い込んでいる時期だった。
(年齢的にはとっくに大人だったんだけれどね・・・)
しかし、その時期の絵ほどHOMEを感じさせるものはない。
そう今ごろ気が付いた。
見てる人は「とっくにわかっていたよ」と笑うかもしれないが。

                 

こんなかんじでした〜

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