〜日記のようなコーナー〜


        
2007年9月12日
台風と野ウサギ
         
(9/7)
久々に強い暴風雨の台風が過ぎ去った。
ちょっとばかり雨漏りが始まったので、バケツを用意したり、
雷が鳴るのでパソコンは終了して、DVDを見て夜更かしし、
朝方風が静かになったところで熟睡してしまった。
のんびり起きて、こないだ立て直したアンテナは無事だし、
雨漏りもそうたいしたことがなく一安心。
        
それから友人関係のブログや掲示板をチェックした。
そこで、新しい日付じゃなかったので見落としていたが、
前日のコメントの続きとして「土砂崩れ」の文字を見つける。
山の家でロバを飼っている友人だ。
http://akiyamakoubou.seesaa.net/
まさか。
あわててメール打つが返事が来ない。充電が切れたのだろうか、
あとで知ったのだが停電してアンテナが使えなかったらしい。
     
数時間後メールの返事やブログのコメントが書き込まれる。
家族や、犬や、猫おおぜい、のいる母屋とロバの小屋は奇跡的に無傷。
その中間に位置する(ご主人の陶芸と奥さんの機織り)二人の工房に土砂が直撃し、
作品や道具いっさい中身が流されてしまったとのこと。
今は二次災害の危険があり何も手を付けられない、とのこと。
     
全員無事と聞いて少しは安心したが、雨はずっと降り続いている。
全壊した工房の写真がアップされる。めちゃくちゃだ。
すぐにでも駆けつけたい気持ちと、怖くて見てられない気持ちが交錯する。
重機が入ったり、村役場や大工さんが来るのは週明けだという。
          
ロバの友人、コーちゃん&ミチルちゃんは、夫の古くからの友人で、
もともと東京に住んでいたのが、
十数年前に自然の中で暮らそうと、田舎に引っ越した。
(捨て猫や捨て犬を拾っているうちに家が動物だらけになったのもあるらしい)
それから毎年、盆と正月、夫はまるで「里帰り」のように訪ねては、
のんびり過ごしていたそうだ。
         
最近はどうも夏のイベントやら色々忙しく、出かけられなくなってしまったが、
お正月には(たとえ雪が多すぎて両親の家を訪ねない年でさえ)必ず、
私も一緒に遊びに行って、家では飼えない動物たちと存分遊んでくるのだ。
       
土砂崩れ前
土砂崩れ後
            
(9/12)
月曜、夫が時間できたので、行こうかどうしようか、
ただ重機が入るとのことだから、昼間は行ってもじゃまになるだろう。
でもあまり遅くなると、こっちも道があぶない。
じゃあ、コストコで水を買って、その足で届けるだけ届けて、
暗くならないうちにすぐ帰ってこよう、ということにする。
          
高速の渋滞にはまりこんでしまい、着いたら薄暗かった。
わずかに残っていた工房の屋根や柱がすっかり取り除かれ、
母屋のほうの明かりがもれている。
        
地滑りをした山を見ると上から巨大なソリでも下りて来たみたいにツルツルで、
土はぬらぬらと光っていた。
恐ろしくて足がすくむ。その足が緩い地面にズブズブ沈む。
           
缶入りのナッツを渡すと早速開けて食べてくれた。
しかし、あまりにパクパクと口に運ぶので、逆に心配になってきた。
たとえば男の人が貧乏揺すりするような、
煙草吸いの人が次々煙草に火を付けるような、無意識な動きになっている。
じっとしていると手が震えてきちゃうか、泣いちゃうかもしれない。
私自身(たぶん夫も)それ以上いると泣いちゃいそうだ。せつなかった。
暗くなると道が危ないからすぐに引き返した。
         
帰り道、所々小さな地滑りが起きており、舗装されているはずの道が、
土や石ころだらけだ。また上から次々水が流れてきている。
運転する夫も気が抜けない。
        
目の前に一匹の野ウサギが躍り出て、車のライトに照らされた。
早く横の草むらに戻ればいいのに、前へ前へ走っていくので、
ひいてしまいそうで冷や冷やする。このウサギ、
今まで車に出くわしたことが無かったのだろうか?
     
野ウサギ、何てかわいいんだろう!
自然はすてき。でも自然は恐ろしい。
           
          
※その後、引っ越し先も決まり、新しい生活に向けてスタートしてくれた。
 そのへんは、彼女のブログを追って読んでくれるとわかります。

        
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